ご挨拶

 会員の皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 この度、第47回日本職業・環境アレルギー学会総会・学術大会の会長を拝命いたしましたので、平成28年7月8日(金)、9日(土)の2日間にわたり、東大阪市の近畿大学11月ホールにて開催させていただきます。
 日本職業・環境アレルギー学会は1970年に開催された第1回職業アレルギー研究会を母体とし、1993年より日本職業アレルギー学会に改組され, 2002年より現在の日本職業・環境アレルギー学会として現在まで46年継続している歴史ある学会です。振り返りますと職業アレルギーを主眼としていた時代は、こんにゃく製造時のマイコ喘息,養蚕業における養蚕喘息や牡蠣業者のホヤ喘息の実態と病態に関する報告などが本研究会・学会にて多数行われおり、これら実績を踏まえて当学会からの職業アレルギー疾患診療ガイドライン発刊に至っています。また、環境アレルギーについても公害を含む大気汚染や室内環境とアレルギー疾患の発症や増悪の関係等、種々の検討がなされてきています。
  今回の学会では「環境アレルギー対策 現在~近未来」をメインテーマといたしました。近年の社会の高度化に伴って室内外の居住環境も変化しているため、新たな視点で環境問題があたえるアレルギー疾患への影響を検討し、将来への対策について取り組む必要があると考えるからです。当学術集会では職業アレルギーも含めて招請講演2、シンポジウム2、特別講演4を予定しています。新たな取り組みとしましては、医学系以外からの視点を求めて、近畿大学建築学部教授(学部長)の岩前篤先生に「環境化学物質と住環境」について招請講演でご講演いただくことと、予防という観点から室内および車内環境に着目し、他業種の研究者とのコラボレーションでの成績を含めた講演も予定しています。さらに当学会の取り組みや職業および環境アレルギーについての知見について、広く企業や市民への公開も必要と考え、市民公開講座の開催を検討しています。一般演題につきましては、職業・環境アレルギー学会の領域に関係するものを広く求めたいと思います。有意義な学術集会にしたいと思いますので、是非とも多くの皆様に参加していただきますようにお願いいたします。